痛みの種類

なぜ、痛くなるの!?

私たちを悩ませる「あの痛み」、原因は何!?

何かがぶつかったり皮膚が切れたり、といった痛みは目で見て分かりやすいのですが、頭痛や生理痛、腰痛や筋肉痛など、からだの中で起こる痛みは、どうして起こるのか、いまひとつイメージしにくいかもしれません。様々な痛みがなぜ起こるのか、その原因を見てみましょう。

あなたの「あの痛み」の仕組み、いくつご存じでしたか?「見えない痛み」の現場には、プロスタグランジンが顔を出す

頭痛|「筋肉」「血管」「神経」による頭痛があります。あなたの頭痛はどれ?

頭痛の約1割は、脳出血や脳腫瘍など別の病気に伴って頭痛が出現した「二次性頭痛」で、残りの約9割は、頭痛そのものが問題となる「一次性頭痛」です。一次性頭痛は、原因によって、筋肉のトラブルから生まれる「緊張型頭痛」、血管の収縮拡張に伴う「片頭痛」、神経反射による「群発頭痛」に分類されます。それぞれの原因から「筋肉による頭痛」「血管による頭痛」「神経による頭痛」と覚えると分かりやすいかもしれません。原因によって対処方法も違うため、自分の頭痛はどのタイプか、必要であれば医師の診察を受けるなどして見極めることが大切です。

頭痛の分類とその特徴
通称 症状の特徴 原因 対処法
緊張型頭痛
=筋肉による頭痛
頻度:毎日から週に2~3回
痛み:締めつけられるような痛み
長時間の前傾姿勢で肩・首筋・頭部の筋肉が収縮し血流が悪化。筋肉内に老廃物が溜まって発痛物質を産生し、神経が刺激されて痛む 疲れや首・肩のこりを入浴などで温めてほぐす
片頭痛
=血管による頭痛
頻度:月に1~2回から数ヶ月に1回
痛み:脈打つ痛みが特徴で吐き気が伴うことも
光・ニオイ・温度など何らかのきっかけでセロトニンが過剰に分泌され、血管が収縮。収縮した血管がリバウンドの作用で拡張し、周りの神経を刺激して痛む。発痛物質の産生もある 痛む場所を氷などで冷やし血管の収縮を促す
群発頭痛
=神経による頭痛
頻度:ある時期に集中して起こる
痛み:目の奥がえぐられるような激しい痛み
三叉神経(顔面に分布する神経)と副交感神経を介した反射によると考えられる 注射薬や酸素吸入で軽減
慢性頭痛の有病率
頭痛に悩む日本人は5千万人!?

日本人の頭痛の有病率を調べた、4,029名対象の大規模調査によると、「慢性頭痛あり」と答えた人は全体の39.6%でした。また片頭痛の人は全体の8.4%、緊張型頭痛の人は22.4%でした。群発頭痛の有病率は調査によってばらつきがあり、平均すると10万人中124人という報告があります。
これを日本の人口1億3千万人で換算すると、何らかの慢性的な頭痛に悩まされている人は実に約5千万人存在すると考えられます。片頭痛で1千万人超、緊張型頭痛で約2,900万人にのぼります。
頭痛で医療機関を受診する人はわずか1割程度といわれます。日本人の約4割が悩む身近な痛みでありながら、人知れず我慢している人も多い痛み、それが頭痛なのです。

生理痛|子宮で分泌される発痛物質「プロスタグランジン」が悪さをする

妊娠しなかった場合、不要になった粘膜を排出する時、子宮内膜からプロスタグランジンというホルモンが分泌されます。このホルモンは子宮を収縮させ、不要になった粘膜を血液とともに体外に押し出す働きをするのですが、プロスタグランジンの分泌量が多いと、必要以上に子宮が収縮し、生理痛の要因となります。ほかにも肉体的・精神的ストレスから痛みを強く感じることもあります。また、生理周期によって、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量は大きく増減しますが、生理前にエストロゲンが減少するのに伴い、セロトニンという脳内物質も減少することで、脳内の血管が拡張し、頭痛が起きるといわれています。

肩こり痛| 筋肉が緊張して硬くなり、発痛物質ができると痛みが出る

「こり」とは、無理な姿勢や同じ姿勢が長時間続くことによって、筋肉が収縮したまま緊張し、硬くなっている状態です。この硬くなった筋肉が血管を圧迫するために、血液が停滞して筋肉が疲労し、疲労物質(乳酸)が溜まってきます。この疲労物質とプロスタグランジンが同時に産生されるので、やがて痛みが出てきます。首や肩のこりは緊張型頭痛を引き起こす要因とされています。肩こり痛を放置している人は「頭痛予備群」のおそれアリ!早めの対処が大切です。

腰痛| 神経、筋肉、骨など原因はさまざま、でも8割は「原因不明」

二足歩行の人間は構造的に腰に負担がかかりやすく、多くの人が腰痛に悩まされています。多くの腰痛は椎間板ヘルニアなど、脊椎に原因があります。それ以外にも内臓由来や血管由来の腰痛など、原因は多岐にわたります。しかし慢性的に腰痛を抱えている患者さんの85%は、検査をしても原因の特定ができない「非特異性腰痛」であるといわれています。

筋肉痛| 筋線維が運動によって損傷し炎症が起こる

筋肉は細長い筋線維が束になってできています。激しい運動や慣れない運動を行うことで、筋肉の収縮に伴い、筋線維が損傷し、炎症が起こることで筋肉痛が生じます。また疲労物質と呼ばれる乳酸が蓄積し、発痛物質がつくられるためともいわれています。

関節痛| 関節の摩耗、破壊を修復しようと炎症が起こる

関節の痛みは、基本的には炎症によるもの。関節を酷使して組織が破壊されたり、加齢によって組織が摩耗したりすると、それを修復するために白血球が集まってきて炎症が起こります。すると発痛物質がつくり出され、痛みが起こります。

歯痛| 神経(歯髄)部分の内圧上昇により血管や神経組織を圧迫

虫歯が神経(歯髄)にまで達すると、ズキズキと猛烈な痛みが続きます。歯の神経の部分が炎症を起こすと充血しますが、発痛物質もつくられています。また、周囲を硬い歯質に囲まれているため内圧が上昇しやすく、血管や神経組織を圧迫します。この圧迫と発痛物質によって痛みが生じるのです。

Doctor's POINT
「痛み」の仕組みが分かると、自分でできそうなケアが見えてきませんか?